剣山は石鎚山につぐ西日本第二の高峰である。標高は1,955m。四国山地原生林の
山々を従え、その中央にそびえる。山頂付近はシコクザサにおおわれた広くなだらかな
草地で、どっしりとした大人の風格をもっている。

平成11年11月3日

1.自宅から見の越へ
家を出発したのは朝5時、まだ真っ暗で満天の星空だった。今年一番の
冷え込みの朝。車で見の越までは約2時間半・・・途中でコンビニでパンと
おにぎりを買い、弁当とする。
 高松から貞光までの国道は快適な道だが、貞光より国道438号線に入っ
てしばらくすると道は極端に狭くなる。特に集落のなかは対向すら困難であ
る。土釜で休憩する。土釜を過ぎると道はよく整備された1.5車線となった。
ここからは曲がりくねった山岳道だが、各所に対向用の対比エリアもあり、快
適なドライブコースである。もっとも朝の早い時間でもあり、対向車もほとんど
いなかったが・・・・。

見の越の少し手前に剣山が見渡せる見晴台があり、そこで朝食のパンを食べ
た。剣山の山頂付近は霧氷におおわれているようだった。思いがけない霧氷
に心がはやる。
 見の越に着いたのはちょうど8時。リフトの始発まで1時間ほど時間がある。リフ
トを使わずに登山道を登れば50分程で西島へ行けるが、今回はレビューでもあ
り、リフトを使うことにした。
 始発までの1時間剣神社の周囲を散策する。駐車場から三嶺の雄姿が見渡せ
た。長い1時間の間、リフトの待合室でパンフレットを見たり、案内板を読んだりし
て時間をつぶした。案内板によると剣山山頂の気温は氷点下3度とあったが、あ
れは最低気温だったのだろうか・・・。
 2.見の越から大剣神社
やがて、リフトが動き出したので、それに乗り西島へ向かう。リフトは山肌すれす
れを登って行く。下はお花畑だろうか、枯れた草が金網の下に見えた。約15分
ほどで西島駅に到着した。リフトを降り、靴紐を締めなおして登りの準備をする。
登山道は西島から、尾根道コース、大剣コース、遊歩道の3コースあるが、無難
な大剣コースを選ぶ。登りは緩やかで初心者の私向きだ。少し登ると周りの木々
は霧氷に覆われていた。早速カメラを取り出した。20分ほど登ると眼前に奇妙
な岩が目に入ってくる。お塔石だ。まるで人工的なモニュメントのように見える。
少し急な坂を登りきるとそこが大剣神社だ。すばらしい展望をしばらく眺めて山
頂へ向かう。
 3.大剣神社から剣山山頂へ
登山道は霜柱で、歩くたびにザクザクと音をたてる。もちろん、一面の霧氷。
道端の羊歯や苔は霜で覆われている。羊歯の根には小さなツララがぶら下
がっている。そのツララを手にとって口に入れると汗をかいたからだに冷たく
心地よかった。
霧氷の中を登って行くと鳥居が見えてくる。頂上は鳥居をくぐり、山頂ヒュッテ
の横をとおって木敷きの道をたどって行く。山頂付近はゆるやかで
四国笹で覆われているが、保護のためか木敷きの外へは出られない。次郎
笈のゆるやかな稜線が頂上より続いている。山頂の指標をバックにして記念
撮影後一の森へ向かう。一の森までは1時間とかからない。ちょうどお昼にな
る。
 4.一の森へ
一の森へ向かう道は緩やかな下り坂となっている。下りきったところに殉難碑があ
る。碑文は新田次郎氏によるものだ。ここから登りになるが、長い距離ではない。
すぐに一の森ヒュッテの青い屋根が見えてくる。一の森ヒュッテでは白骨樹林を見
ることが出来る。しばらく休憩して頂上に向かう。頂上はそんなに広くない。記念撮
影もそこそこに昼食が出来る場所を探す。頂上付近はすでに他のグループで占領
されていた。頂上を過ぎて少し行ったところに座れる場所を見つけ昼食の準備をす
る。コンビニで買ったおにぎりとフリーズドライの味噌汁が昼食だ。食後には当然、熱
いコーヒー。定番だ。風も無く陽射しが心地よい。1時間ほどそこにいただろうか、荷
物をかたづけ一の森を下りる。殉難碑まで下り、そこで道を行場へ向かうコースにとる。
 5.一の森から行場へ
このコースは北面のコースで陽があたらない。昼を過ぎているのにまだ霧氷が
残っている。道端の霜も融けていない。緩やかな坂道を下っていくと沢を越え
るが、沢に渡してある木道は表面が凍り付いていて注意を要する。二つ目の
沢を越えたところから道は急な登りとなる。なんとかそこを登りきると水場がある。
水を汲むにははしごを使って穴の中へ下りて行かなければならない。ヘッドラ
ンプをつけてはしごを下る。深さは3mぐらいだろうか、底に着いて少し奥に水
が流れていた。水筒いっぱいに水を汲みはしごを上る。
 この水場付近は切り立った崖で行場となっている。ちょっと寄り道をして行場
を覗いて見る。切り立った崖の向こうに岩場の上に祠があった。行者さんは底へ
登るのだろうか。
 6.行場から見の越へ
行場を過ぎると道は平坦となり刀掛の松へと続く。刀掛の松は西島からの登山道の
途中であり、今日は休みとあって登山者の列が続いていた。その半数以上がスニー
カーで手ぶら姿の軽装である。中にサンダルを履いたオジさんがいたが、霜が融けて
ぬかるんだ山道・・・。下りで滑らなければいいのだが。
登山者の列とは反対に西島へ向かって下山する。西島からはリフトを使わずに下山
道を下りることにした。途中、西島神社横を通って行くが、そこには間者牢があるらし
い。横目で眺めて通りすぎる。下山するにつれ木々の紅葉が増していく。所々に
鮮やかに紅葉したかえでが見事だ。リフトの下をくぐるトンネルを抜けると剣神社は
もう近い。


 
 
山のアルバム
見の越より三嶺を望む
頂上が白いのは雪だろ
うか・・・・・
大剣神社より見た
ジロー笈。西斜面は
霧氷に覆われている。
逆光の霧氷 紺碧の空と白い霧氷の
コントラストがすばらしい。
剣山山頂より一の森
を望む
一の森登山道より
振り返った剣山山頂
一の森よりの白骨樹林 白骨木
見の越付近の紅葉 一の森山頂にて
バックは左次郎笈、右剣山